MNO、MVNO、MVNEとは?格安スマホの安さの秘密を徹底解剖
MNOやMVNOという言葉を耳にしたことがあると思いますが、その違いをご存じですか?
この三者は、いずれも通信に関わる事業者のことですが、
- MNO=自社で回線網を有するdocomo、au、SoftBankなどの事業者。楽天モバイルも参入表明
- MVNO=キャリアの回線を借りて格安SIMサービスを提供する事業者
- MVNE=MNOとMVNOを結ぶ中間業者的な事業者
と分類されます。
それぞれ格安スマホを利用する際に理解しておきたい三者ですが、ここではそれぞれの役割を紹介しながら、格安スマホが安くなる仕組みや特徴などについてご紹介します。
MNO、MVNO、MVNEの違い
3つの通信事業者について、もう少し詳しく見ていきましょう。
MNOは、大手キャリア
MNOは、「Mobile Network Operator」の略で、日本語では「移動体通信事業者」と訳されます。自社でモバイル用の回線網を有し、通信サービスを提供している会社で、日本では、docomo、au、SoftBankがこれにあたります。楽天モバイルが携帯キャリアの新規参入を表明し、2019年10月から翌年の3月にかけて、プレサービスをスタートさせ、 2020年4月からMNOサービスを本格的に開始しました。
現在、楽天モバイルの法人契約では、MVNOサービスを提供しております。
【参考】楽天モバイルのMNOはこちら>
MVNOは、格安SIM提供事業者
MVNOは、「Mobile Virtual Network Operator」の略でMNOにVirtualという概念が加わった「仮想移動体通信事業者」のことです。自社で回線網を持たずに、MNOから回線網を借りて通信サービスを提供しています。簡単にいうと、格安SIMサービスを提供している事業者が、MVNOとなります。
MNOから回線を借りているので、基地局の増設やメンテナンスなどにお金がかからないなどにより、安くサービスを提供できることになります。
【参考】楽天モバイル法人のMVNOはこちら>
MVNEは、MNOとMVNOをつなぐ
MVNEは、「Mobile Virtual Network Enabler」の略で、「仮想移動体サービス提供者」のことです。MVNOがOperatorで「操作・管理する」側であるのに対し、MVNEのEnablerは、「成功や目的達成を支える」側という意味で、MNOとMVNOを仲立ちする役割を果たしています。
主に、MNOから回線をまとめて借りて通信制御を行い、小分けにしてMVNOにサービスを提供しています。ほかにも、技術やノウハウの提供など、MVNOに対して運営支援を行っているのがMVNEです。
MVNOを選ぶ際には、同じキャリアであっても、MVNEが違うと利用できる機能やサービスが異なるため、元がどのMVNEであるかをチェックすることも重要です。また、MVNEによってMNOから割り当てられる通信量が決まっており、さらに、MVNEからMVNOへの通信量も決まっているので、品質や通信速度などに違いが出てきます。
ふだんあまり聞かないMVNEですが、格安SIMサービスを賢く利用するためには、MVNEの確認が重要なファクターとなります。
格安スマホはなぜ安い?
MNO、MVNO、MVNEのそれぞれの役割の違いをふまえた上で、格安スマホの安さの理由についてもおさらいをしておきましょう。
格安スマホ安さの理由
格安スマホとは、MVNOが提供している通信サービスである格安SIMを利用した携帯電話端末のことです。
MNOとMVNOの違いでも説明したとおり、MVNOは大手キャリアの回線を利用するため、基地局の管理費などがかからない分、利用料金を安く抑えることができます。また、音声通信SIMにするかデータ専用SIMにするか、電話のかけ放題やSMS利用サービスをつけるかつけないかなど、自分に必要なサービスだけをチョイスできるので、ムダもありません。その分、コストも抑えられることになります。
さらに、MNOの複雑な料金プランに比べて、格安スマホはシンプルでわかりやすいプランが多く、契約期間の縛りや、解約解除料がかからないところが多いのも魅力です。
※表記の金額は全て税込です。
かけ放題プランがあるMVNOも
今までは、多くのMVNOがかけ放題をオプションとしており、通話時間に応じた料金が発生するので、その料金が高くなってしまうのが一般的でした。しかし最近では、「10分かけ放題」などのプランを有する事業者もあり、通話時間による高額料金請求に対する懸念が、かなり軽減されるようになりました。 【参考】楽天モバイル法人では、アプリ経由での電話で通話料半額>
格安スマホのメリットと特徴
格安スマホには、安さだけではなく、ほかにもいろいろなメリットや特徴があります。
今までの電話番号をそのまま使うことができる
音声通話SIMを利用した多くの格安スマホでは、090や080で始まる電話番号を引き継ぐ(MNP)ことができます。ビジネスシーンでは、電話番号を変えることがチャンスロスにつながることもあり、こうしたリスクを避けるには、MNP対応の格安スマホが最適といえます。
ただし、050から始まるインターネット回線を利用した格安スマホもあるため、注意が必要です。
必要最低限な通信量を無駄なく安く利用できる
前述の通り、MNOからMVNEに、MVNEからMVNOに提供される通信量は決まっていますが、自社のニーズに合ったプランを選ぶことで、必要な分だけ、無駄なく安く利用できるともいえます。自社の用途に合ったプランを選択しましょう。 【参考】楽天モバイル法人では、お得な料金プランをご用意>
キャリアメールや決済が使えない格安スマホも
一般的に格安スマホでは、ドコモの「docomo.ne.jp」などのキャリアメールが使えませんが、Gmailなどの無料メールサービスは利用できます。また、楽天モバイルは可能ですが、一部の格安スマホでは、音楽のダウンロードや有料ゲームの支払いなどに、キャリア決済を利用できません。最近は、電子マネーや○○ペイなどのスマホ決済を利用できることも多く、キャリア決済が使えなくても、さほど大きな支障にはならないでしょう。
まとめ
大量の数を扱う携帯電話の法人契約では、格安スマホの安さが魅力でありながらも、使い勝手に不安を感じることも少なくないでしょう。通信料や速度など、MNOに比べて若干不便な点がありながらも、MVNEをチェックすることで、不安や不満の軽減・解消ができる場合もあります。格安スマホを検討するなら、ぜひ参考にしてください。 【参考】eSIMとはなにか?SIMカードとの違いと、メリット・デメリットを解説>